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つくってあそぼ

〜建物アドオンは世界を救う〜

執筆:五番星(2018年12月)

0. 導入

仙台在住のSimCity4プレイヤーの五番星と申します。
ここ数年は、Simutransにも進出して、ちょいちょいアドオン作りをやっております。

Simutransは、個人的にちょっと惜しいゲームだなと思っておりました。
というのも、Simutransが交通網主体のゲームであるがゆえの問題だと考えておりますけれども、
「建物アドオンが充実していない」感が否めません。

せっかく、住宅・商業・工業・特殊建築…などなど、SimCity4顔負けの建物カテゴリがあるのですから、
ぜひ建物アドオンに目を向けていただいて、
Simutransを「交通網シミュレータ」程度の存在に留めず、「景観をも楽しめるゲーム」に昇華させていきませんか?
1. 事前調査

まずは、事前調査をはじめましょう。

なにをするかは明白です!
グーグル先生を開いていただいて!作りたい建物のカテゴリについて画像検索をかけていただいて!出てきた画像を収集していただくだけ!!!

諸兄のなかには、「作るものが決まってるのに、調査なんて必要あるめィ!!」──と思われるせっかちさんもおられるかもしれません。
実にわかる。

だけどぜひやりましょう><

この工程の目的は、日本各地のサンプルを得ることにあります。
ときには「おれの知らないエモい建物があるじゃないか!」と尊さの水たまりに溺れて涅槃へいざなわれることもありましょう^^
それでよいのです。仰げばとうと死ってやつです。

日本各地のサンプルを得ることで、『普遍的なカタチとはなにか』を追求もできますし、『この建物のこのエモエモな部分と、こっちの建物のこのエモエモな部分を組み合わせてー☆』と、コーディネートをすることもできます。

こういった事前調査、および構想を練ることで、作る前から完成度の高いアドオンを思い描くことができるわけです。

↑駅前旅館の調査資料。
エモい物件が全国各地に転がっていることがわかる。
↑BATの画面
2. 3Dモデリングソフトを立ち上げる

ここまでで、完成度の高いアドオンを作成するために、調査の必要性をご理解いただけたかと存じます。

また、資料を収集した皆様におきましては、すでに究極の完成度を持ったアドオン構想をお持ちかもしれません。

だけど、その完成度の高いアドオン、おぬしの脳みそのなかにしかないじゃろ???
ワシにもそのアドオンくれよ。作り方教えるからさ^^



というわけで、3Dモデリングソフトを立ち上げましょう。
3Dはいいぞー、
ドット絵でゴリゴリと建物の4方向画像を描き起こす必要がないし、
複雑な形状の建物でも難なく描写してくれるし!
ぜひ使おうよ!

オススメは、BAT(SimCity4関連のソフトウェア)です^^

BATのよいところといえば、
Simutransの建物も、SimCity4の建物も作成できること!
SimCity4の美しい調光をSimutransアドオンにも流用できること!
あとは、わりと直感的に操作できることかな^^;

ちなみに、このソフトウェア、SimCity4をお買い上げいただかないとご使用いただけませんので、とりあえずSimCity4を買ってきてインストールしてください><
パッケージ版でもSteam版でもいいので><
3. 柱を置いて、正面のスケールを掴む

それでは作っていきましょう。
作成する建物のイメージは『大正時代築の2階建ての駅前旅館』です。

旅館っていうぐらいですから、本格的な和風建築でございますヨ^^

ちょいとイメージをしていただきたいんですが、
和風な建物というのは、わりと柱がむき出し(真壁造)になっていがちじゃないですか??
現に、1. 事前調査で収集した画像たちも、どれも柱がむき出しですよネ?

というわけで、駅前旅館=柱がむき出しという雑な法則に当てはめて、おおざっぱに柱を立てていきます。
私の経験則上、1階あたり高さ4メートル前後なら問題ないように思います。

4. 全体像を掴む

柱を立てていって、道路に面した部分と側面ができあがったら、
正面に肉付けをしていきましょう。
壁とか窓とかつけていくと、かなーり全体像がつかめてくると思います。

窓の多さとか、1階1階の高さをじっくり感じていただいて、OKだと思えば、ゴリゴリ作成していきましょう。

私の場合は、この工程ぐらいで屋根を載せます><

エモくなってきたでしょ??

ね、エモくなったでしょ^^

5. もっとディテールを!

サイズ感OK!
ざっくり作ってみたら完成形をイメージできた!

そんな段階に入ったら超楽しいボーナスステージの始まりです。
みなさん、自由に信じる道を突き進んでください><

この駅前旅館の場合は、
玄関前には、当然のように破風(曲面のある立派な屋根)
丸窓
こじゃれた戸袋(2階の窓の端についてる、雨戸をしまうアレです)
朱塗りの欄干…

私のだいすきなパーツをひたすら設置していくわけです!!!

とはいえ、このボーナスステージ、
やりこみ要素は無限大なので、すきな建物ほど時間が溶けます><
こだわりたいもんネ><

〜ボーナスステージ〜 

↑旅館の裏手にも客間があったり…(妄想)

↑ブロックな外壁の風呂場があったり…(妄想)
6. 完成まで持っていく

営業している旅館っていうのは、往々にして玄関前に植物を手入れしているモンです(偏見

小道具をたくさん置いてあげて、郷愁を演出しましょう。

ああーー、しかし、あまり小道具にこだわりすぎて「作りこみが終わらない」なんてのはナンセンス!
適度にやったら終わらせましょう。

そんな物干し竿につるされてるTシャツを1枚1枚、丁寧にモデリングする必要なんてどこにもないですよ><

作ったからには、完成させていただきたいですね!

作りこみは、いったんアドオンを公開したあとで、
心ゆくまで作りこんでいただいて、
じっさいに完成度120%になったときに
リメイクアドオンとして出せばいいんじゃないかな^^(深淵を見つめながら)

7. BATの本領発揮を実感する

3Dで作っても、けっきょくSimutransは2Dゲーです。
作りこんだ3Dモデルを画像に落とし込む必要がございます。

しかも、その落とし込みをするにあたって、
カメラの調整やら、Simutrans的な明度に合わせたライティング設定やらが必要になるんですよネ

ほらほら、めんどくさいでしょ^^
めんどくささを体感してるでしょ^^

でも大丈夫!だからこそBATを使え!!!!!

BATがあれば、
カメラの調整不要ッ──
ライティングの調整不要ッ──
ついでにアルファチャンネル画像も吐き出すッ──

無敵です☆

そのために、あらかじめ、以下の手順を覚えておきましょう。

BATの、右側のメニューの最上部のタブから「Utilities」を選択して、
「Preview」を展開して、
とりあえず「Day」ボタンを押せ!!以上!!

あと、Simutransの建物アドオンは、4面必要なので、
ラジオボタンのE/N/S/Wを順番に選択しては「Day」ボタンを押し続けてください。

↑BATには画像化機能が搭載されております。
初期設定の場合、出力される画像はSimCity4用のアングルの画像ですので、
BATでの作成にご興味のあるかたは五番星までご一報のほど><
8. 出力された画像を保存する

このように出力されます。
ほらね、もうアドオンでしょ^^

出力された画像を、PrintScreenとかでいいのでキャプチャして、
ペイントかなにかに貼り付けて保存してください。

本体バージョン120-2以降の最先端シムトランサーのみなさんは、
アルファチャンネルも一緒に保存しておけばいいと思います。

これを、4方向からキャプチャして、同じく保存していきます。



参考:4面画像を取り込んでいる図

9. アルファチャンネルの利便性を理解する

8. 出力された画像を保存する工程で『アルファチャンネル』について触れました。

BATの場合、3Dモデルを2D画像として出力すると、建物画像の背景が透明化されていない状態の仕上がりとなります。

アルファチャンネルは、白を不透明、黒を透明とみなすので、
背景が透過されていない建物画像にアルファチャンネルを重ねることで、たちまち建物の背景が透過されたアドオン画像を作成することができます。

アルファチャンネル=即戦力=即アドオン力です><
ぜひ、ご活用ください><

ただし本体バージョン120-2以降の方に限ります><

また、建物画像にアルファチャンネルを重ねるには、GIMPが便利です。

10. プレイヤーカラーと発光色を塗る

地獄のドット手打ち工程です><

ぶっちゃけ、やれるならやったほうがいいヨ、程度のところだと思います。
夜景までこだわりたいならぜひやってほしいです><

ちなみに、以下の画像をキャンバスの端に載せて、適宜スポイトして塗っていくのが便利だと思います。


参考:プレイヤーカラーと発光色の一覧
シムトランス日本語化・解説より取得

ちなみに、datの書き方はふぃすたむ教授の記事が最高なので、ご一読ください><

11. 出来栄えを確認する

画像とdatがそろえば、アドオン化ができます。
pakにまとめたならば、さっそく導入して味わってみましょう。
どうですか?
制作された建物は出現したでしょうか^^
品質的に満足のいく結果が得られましたでしょうか^^

アドオンが完成した日ぐらいは、ご自身のアドオンを肴に一杯やるのもいいと思います><
ゆっくり休んでくださいネ
12. 建物アドオンは世界を救う!!!

建物アドオンは鉄道車両アドオンとは違って、無限の案件数を誇ります。
──つまり、作者間の競合の可能性が低いということです。
作っても作っても終わらない、案件の泉です^^

しかも、建物アドオンは、スケールさえ違和感がなければどのpaksetにも移植できます。
──あらゆるpaksetで、作成した建物をお使いいただけます。
建物アドオンは、作成に費やした時間を裏切らないッ!!

さらに、鉄道会社ごと使用する車両が異なるゆえに、あまり使わないアドオンが出てくる、なんてことは皆無です。
──建物アドオンはバリエーションが命!!
たとえ、ゲーム性に貢献しなくとも、多種多様な建物がニョキニョキ生えてくるだけでもテンションは青天井に上がるものです。

Simutransの世界を創るのは、建物!
建物は、世界を救うのです!



だから、まず、SimCity4を買おう!!!!!

fin.