新生チョロQ発売によせて
[2]-チョロQzero徹底勘定-


外箱チェック
 1台約1,000円とたいへん高額ながら、
予定調和のごとく、やっぱり買ってきてしまったチョロQzero……。
高価格帯で復活したチョロQですので、
当然、トミーテックさんのスタッフだって外箱から気合の入りようは違うはずです。

 ちょっと前回触れちゃってますけど、このチョロQzeroのパッケージを紹介致しましょう。

まずはオモテ面からご覧頂きましょう。


いやあ……、やっぱりダンボールチックなデザインですね……。
こうして写真で見ると、
チョロQの大きさに比して、パッケージがやたら大きい気がするよね
気のせいかな……、ええ、でも大きくないですか?

ううむ、まあ見ようによっては

チョロQzero』の非常に大きいロゴマークが、
店内ではだいぶ目を惹くのかも知れません。

そのあたりはトミーテックさんの経営哲学でしょうから、外野たる五番星は何も云うことは致しませんよ……



ところで、開封口の上部に小粋な英文が添えられているのにお気づきでしょうか。

"machine for city boys"(ましーん・ふぉぉ・してぃー・ぼーいず)

こう記載されております。

このようなさりげないアクセントがパッケージをシュッと引き締めますね(何を云ってるんだ)

さて、真面目に翻訳させて頂きましょう

ちなみに当方、英語の成績も『2』ばっかりでしたので信用しないで下さいね

『クルマ(の玩具)を都会的で洗練された人たちへ……』

ちょっといい感じですね、クールにキマりました。だてに義務教育を終えてるわけじゃあありません。

ただまあ、

この粋な文の解釈のしようは人それぞれ。六法全書の法解釈と同じと思って構わないでしょう。



 ささ、続いて裏面をご覧頂きましょう。


こちらには、チョロQzeroの製作陣らが、消費者たる私たちに、この製品の基本コンセプトを語りかけてきます。

チョロQzeroとは……?──今だから作れる、大人向けのチョロQ
30年以上の歴史を誇り、誰もが知っているチョロQ。
今こそ原点に帰り、本来の楽しさや魅力を味わえるチョロQを開発しました。
クルマで育った、クルマがわかる大人に向けたチョロQです。




…くぅっ、ごめん、ちょっと感動した。

しかしながら多分、製作陣の皆さんは
五番星を消費者の対象として見てないことだけは伺えました。
純然たる『クルマ離れ』世代です、ごめん。

タカラ全盛期との製品比較
 それではトミーテックさんのお手並みを拝見させて頂きましょう。

ここでは、トミーテックさんの本気度を検証すべく、通常のチョロQzeroよりも、より実車の雰囲気を忠実に再現したディディールアップモデルを参考にモノを語らせて頂きます。


Z-02c トヨタ ソアラ 2800GT(定価:1,260円)

見事な造型

見事なタンポ印刷

 うううむ(唸)。
さすがは1,000円超のハイクオリティモデル。
チョロQらしいデフォルメは当然されておりますが、実車のホイールを履かせ、80年代らしいツートンカラーと云う、たいへん小ニクい演出で魅了してきます。
また、ボディ自体の造型も、たいへん丁寧かつシャープ。ドアミラーまで付けてくれるだなんて、私がよく遊んだ頃では考えられませんヨ
それにしても、セダン車のデフォルメ、かなり絶妙なバランスですね。
チョロQは後輪のほうが大きいのでどうしても前傾姿勢気味になりがちですが、
あまりそう見えない高級車らしい落ち着いたデザインになっております。

いやあ…

何といいましょうか…

総評:大人げないまでにガチな造形美(褒め言葉)

圧巻でございました。お見事です。



 しかしながら、ここで終えてしまったら単なるチョロQzeroのステルスマーケティングです

五番星のやつ……、トミーテックさんにお金貰ってるんじゃね?ウィンウィンの関係なんじゃね?

否!断じてそんなシガラミは一切合切ございません。

ここは公平にジャッジしようではありませんか。



──本当に1,000円を超える実力があったのか否か、を。



 私は、チョロQ全盛期のタカラさんの製造技術に、子供ながら感服したことがあった。

それはすでに『おもちゃ』の枠組みをはるかに超越していた存在……
──リアルギミック・チョロQ

それは2000年代初頭……、チョロQブーム最盛期にタカラさんが放った、ムダに完成度の高いチョロQである。

それはもう、ボンネットが開いてエンジンルームが見えたり、ドアが開いたり、と
トミカの専売特許であるギミックをチョロQに搭載し、かつボディの造型や塗装にも一切の妥協や抜かりを感じない、タカラ時代のチョロQ史上最大の傑作であると断言できるでしょう。

比較対象にあの!リアルギミックチョロQを出してくるのは卑怯だ、そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

いいえ、全く卑怯ではありません。

私は、

一度は離れたものの、一人のチョロQファンとして

チョロQに新たな息吹を吹き込んだ、トミーテックさんが開発したチョロQzero

その真価を、本気(まじ)で問うてみたい、ただそれだけなんだよ

但し、リアルギミック・チョロQの定価は、ディスプレイケース付属で1,050円。若干、チョロQzeroのほうが割高です。ちょっとハンデありますねえ……

未だ忘れえぬ感銘を与えた究極の、いや、Q極の逸品。

ご覧頂きましょう。


RG-Q14 ニッサン R-32 スカイライン GT-R(定価:1050円)

エンジンルーム(みづらくてごめん)

これぞ伝説のスポーツカー・スカイライン

 さすが、発売当時私を唸らせたリアルギミック・チョロQ
やはり、ここでもその造型の良さは一級品と云って差し支えないでしょう。

塗装は、実車のメタリックを再現するためにラメを混ぜているようで、改めて当時のタカラさんの塗装技術の高さが偲ばれます。
また、ヘッドライトにはクリアーパーツを使用するなどのマニアなこだわりも散見されます。

当然、エンジンの造りも非常に精巧なもので、1,000円の値段は納得のものでしょう。
(いや…、お高いのに変わりはないんですけどネ…)



 さて、ここで話題を改めてチョロQzeroへ戻しましょう。

本家(のなかでも非常に完成度の高い)チョロQとトミーテック製チョロQ……

交互に見比べると

チョロQzeroの造型のシャープさが際立ってますね
(ソアラがただ単に角ばってるだけかも知れませんが)
塗装においても、バンパーやモール部分、ナンバープレートやウインカーランプなど細部にわたって色分けが施されていることがよく分かります。

ただ、これらを吟味しても厳しい審議ではあります、

定価1,260円と云う価格は、

大量生産品としてはやっぱりお高いと思わざるを得ないでしょうねえ……。

2台買ったら2500円ですもんねえ…

しかも今、巷ではデフレデフレ云われてますよ

社会情勢を鑑みて、もうちょいデフらせてもいい気がしてなりませぬ。

しかし、私の主観ではありますが、850円……いや900円ぐらいの価値はありそうですよ。

私が購入したマルチメディア仙台価格では

さすがは量販店!太っ腹にきっかり1,000円でしたので

そこそこ満足な結果に。



 まあしかし、

すでに開眼を経験した私をもってすれば

多分定価でも買ったんじゃないでしょうかね……

哀しい、哀しいサガです。

おまけ:外箱まで比較
 やっぱりチョロQzeroの箱は車体に対して大きすぎやしないか?
なあ、どう思う?
それはつまり、チョロQを保管すると同時に、それ以上の体積の空気を保管することに他ならないのではないか……?

いやいや、苦情じゃないですよ、トミーテックさん
むしろお店で探しやすくてよかったですヨ!箱が大きいほうが!

ただ、もうちょっとチョロQにフィットしたパッケージにしてほしいなあってくらいのモンですよ

あれあれ、それとも…、パッケージを大きくしなければならない理由でも……?
中○製だからですか?○国では製品をそんなに粗雑に扱うんですか?

とりあえずご覧頂きましょう。いかがです、すごく…大きいでしょう!


…………

……あれ…、意外とリアルギミック・チョロQの外箱の大きさと変わりませんね……

ちょっと横幅はチョロQzeroの外箱のほうが大きいですが、高さはリアルギミック・チョロQの外箱のほうが大きいですね。

うわ……五番星の勘違いか……



ただ断言できるのは、

トミカの外箱はいつ見てもスマートすぎます、かっちょええ

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