平成23年12月

12月25日(日)
実録!名刺の美学 その1
 今年の紅白歌合戦は何か、Kの国から外貨稼ぎ集団が押し寄せてきて

ノリノリのダンスビートに合わせて「土下座せい土下座せい(和訳)」
と我々日本人に対して激しく歌って下さるそうなんですが

いやあ、これじゃあちょっと年越せねえなあ!

そんな胸のアツくなる思いを抱く年の瀬でございます。



大変お久しぶりでございます、破天荒な名刺職人として名を馳せる五番星とはまさしく私のこと…。今日はどうぞよろしくお願いします。



※もし『かっこいい名刺』等で検索されてこんな辺鄙なページに飛ばされてきた貴殿には大変申し訳にくいのですが、貴殿が現在お求めの情報は一切ここにはございませぬ。予め断っておきます



 名刺と云へば、社会人たるものとして必須アイテムであるのは今更私が申し上げなくともよいほどに一般的に浸透している知識でございます。
入社一日目にして、研修部長からのスピーチで早々に『やい我れ、社会人たるもの名刺の一枚や二枚持たんでどないすんねん!』との罵声が飛び交う事、これ必至でございます。

 私、五番星も大学入学を機に名刺を常に持参しているわけでございます。

そもそもの動機は何なのか…

 例えば皆様方は気が合った人から連絡先を聞かれて、

おうおう分かった分かったと

おもむろにジーパンから携帯電話を手慣れた手つきで抜き出して

アドレスを交換するとかすると思うんですけども、



私、五番星、お恥ずかしながら



未だ携帯電話持たず!



成人したのに



未だ携帯電話持たず!!!



持たないことが五番星たらしめるものと認識して今まで不足なく過ごしてきたんですけども

でもですよ

何かあってメールアドレスを聞かれた時に、

「すっすまん!しょ…小生、携帯電話持っておらんのでぇ…!!」とは



大学生としてちょっと恥ずかしくて云えない!!!



だからといっていちいちメモ用紙を取り出してgobanboshi@gmail.comを筆記するのも

うぉぉん、いまいちCOOLなやり方じゃあない



じゃあ五番星と同じ境遇にいる数多の迷えるジェントル達はどうすればいいの!?

いいでしょう!すっきりとお答えしましょう!核心に触れてみましょう!

きっとキムタクならこう言い残す事でしょう





あぁ?ぶっちゃけ、名刺持ってみればいいんじゃね

予め作っておいた名刺を渡せば何もアドレスをいちいち書く手間だって省けるし
第一、ちょっとぉ(一瞬、間をおいて)かっこいいんじゃぬぇ?

ってね





 ……っし!!!ハラは決まった。

私の名刺交換シュミレーションはこうだ!!

連絡先を聞かれる → おうおう分かった分かった → ポケットから携帯電話探るふりをする → ここで名刺登場!! → 相手携帯電話片手に戦慄…!!! → ドヤ顔で名刺を渡す → 近くで見てたオッサン「兄ちゃん、そりゃあCOOLだぜ」



うっほ!何これ!いいじゃんいいじゃん!ちょっといいじゃん!!

大学生としては珍らかなる、紙の温もりを通した人との出会い…

ひとつひとつの連絡先交換がちょっぴりビターでシゲキ的になりそうな予感に胸が高鳴る



 2011年5月…

右も左も分からぬまま名刺職人への道を歩み始めた…
サイズは縦51ミリ、横89ミリ…いわゆる欧米サイズだ

私はただ、名前をアドレスだけ書ければ満足だった為、五番星名刺第一号は普通のA4サイズ用紙に印刷して切り取っただけのものだった。


 背景には五番星の様相からは想像もできないほど爽やかな梅の花のイラスト素材をあしらえ、
学部学科、氏名、そして基本情報を完備!
ワンポイントで付けた家紋の印刷具合もかなりいい感じかもん!
デザイン性に優れた職人、五番星が作り上げるちょっとした私用に使える名刺が完成した。
枚数は白バージョン4枚、黒バージョン4枚のA4サイズで印刷し得る最大量を印刷。

でも黒はあまりの可視性の悪さから一枚も流通することなく雨水に濡れてボソボソになっちまいましたね



 登校から三日目…

いつものように学校に着くと見知らぬ男から話しかけられた。

男はシシドと名乗った。私はこのシシドくんの素性を全く知らない。



だがそんな事はどうだっていい!

私は折角作った名刺を渡さずにはいられなかった!!



「ああ、よろしく。あ、そうだ、俺、五番星ってんだ、名刺あるから受け取ってくれよ」

行動に迷いがない

私はこの時、一流の営業マンだった

自分の名前を売り込む…

そんな事は容易い…

俺の名前くらい営業をやってる人間なら誰だって知ってるゼ?

そんな驕りをこのシシドくんという男は見事に打ち砕いた



シシド「名刺作ったのwwwいいなあ!これいいなあ!





     うっはww

     このペラッペラ具合がまたいいなあwwwwwwwwwwぶぉっはwww」





ええっ、うっそ!!!





 何と彼は、俺の名前などではなく、

名刺の材質に興味を持っていた…!!



いや、違う…

私が「名刺」と呼ぶ、
このA4用紙を切り取っただけのペラッペラでチープさを極限まで求めた、
今、机の上に差し出された何かが



あまりに滑稽で可笑しくてたまらなかったんだろう…!



こうくるとは思わなんだ

デザイン性を求める以前に



名刺じゃなかったなんて…ッ!!

 ここから五番星の名刺・チャレンジの長い道のりが始まった。

名刺オブ名刺

誰が見てもこいつぁあ名刺!!っちゅうものを求めて奔走します。

 さらば!とりあえず次回!



因みに、シシドくんという男とは現在、作曲活動をしてますよ(爆)

12月28日(水)
実録!名刺の美学 その2
 名刺…

それはフォーマルで、しかも温かみのある

わたしたちの一期一会の出会いを彩るさりげない小道具である。



 前回、名刺を見よう見まねで作ったものの、
材質的な意味で全く名刺じゃなかった五番星第一号名刺…

風格のないペラッペラの材質はまさしくA4インクジェット紙そのものであった…

その時から私の中に命題が浮かんだ



名刺の中の名刺とは何ぞや?



そんな哲学を学業に持ち込み、英語の講義中ひらすら思案するのだった!

普段はひたすらわけのわからん念仏のように聞こえる謎の呪文、いんぐりっしゅであったが



この時ばかりは私の脳細胞を刺激し
インスピレーションが溢れんばかり!

最終的には素晴らしいBGMにまで感じられるほど英語が好きになったのだった!!



 そこで私は、ある天才的な発想にたどり着いたのだった





もしかして…?



  五番星第一号名刺の裏に?



    同じサイズに切った



      厚紙をおおおおお…!



        うああああおおおおおおおおッ!!!!(閃





もうお分かり頂けただろうか!



ペラペラ名刺もどきに
中学校の頃ペーパークラフトで使った厚紙を適当なサイズにちょん切って
スティック糊を用いて融合させることにより



風格のある名刺が誕生すると考えたのだ!

てりぼぅ…!てりぼぅ!!

恐るべき大発見をした五番星…

しかしこの時、

もう何のために英語の講義に出てるのか分からかったのは云うまでもない、英語○ねっ!!



 帰宅するなり早速作り上げたのがこちらだ


えらく立派になった。



ブ厚さはもちろん

無駄に美化しまくった似顔絵も付けたし

めちゃくちゃカッコいいサイン(花押)も作った

裏面には座右の銘『勇往邁進』の文字が堂々たる面持ちで鎮座し、

更にはお気に入りの昭和天皇の名句まで掲載

極めつけは氏名の左上に乗った『新世代デジタルクリエイター』なる仰々しい肩書き…!!





…名刺だ…!!!!





私が求めた名刺はこれだ…!!!!!



第一弾とは比較にならぬほどにビジュアル面を強化した事により

信じられないくらいの異彩を放ち、



昭和天皇がお詠みになられた名句を付けることで

右のイデオロギー完全武装!



結果的に誰もがヒく名刺離れした型破りな名刺が誕生したのであった。



それにほら、背景もよおく見て!

花菱模様がグラデーションになるように配置したんだ!

ね、



こんなの貰ったら流石の私でもヒきますわ!!!



もうね、ただの名刺とは明らかに違うんだよ

ガチさがものすごいんだよ

放つオーラがただならないの

何と云いましょうか…

たかだか名刺なのにですよ

その人の人間性の

ありとあらゆる

BLACK and WHITE…つまり白の部分と黒の部分とか…

余すところなく見事に表現されてるんですよこれ!



例えばだよ、現地の人でさえ好き嫌いが分かれる民族料理を

海外から来た自分に対して

さあ!たらふくお食べ!と

無理やり喰わされる感覚!

ゲップどころの話じゃなくて、ね、
嗚咽か、下手したら最悪直下型ボムですよね普通!



 もおおおお絶対に嫌われますわああ

私が何をしたわけでもないのに

ただ名刺をあげただけなのに

嫌われますわあああ…!

一枚作る為に使ったインク代、用紙代、スティックノリ代、手間、愛情、呪い

手塩にかけて作り上げたモノなのに

露骨に拒絶されますわああ



そりゃあね、この名刺を受取った人は皆、反応に困って涙目必至でございますよ



それでね、こう私に対して思いを抱くでしょう



この名刺に懸ける異様な熱意は何なの!!!



 うん、私自身、作り上げた当時は陶酔してて天才的な名刺が出来たもんだと思っていたけども
今こうして客観的に観ると自分でも作った張本人に対してふつふつと募るこの想い(疑念)!



だけど今なら答えが出せる!





名刺に懸けるこの異様な熱意は何なのか…………!!!










それはっ





名刺職人ゆえの魂の咆哮だッ

 …私ならこう答えるね!!(自己全肯定



しかももっと凝ったゴールドバージョンの第二号名刺も存在するんですよ、実は

12月29日(木)
実録!名刺の美学 その3
 名刺…

それはその人自身の人間性そのものを如実に表す鏡…

また、名刺職人の織り成す、縦51ミリ×横91ミリの限られた用紙内に描かれた芸術…

そして更に、名刺職人且つ私自身の魂の咆哮なのである…!!



 私は、基本、誰にもあげないけども、この、名刺というものに魅せられ、命を懸ける職人にまで駆け上がった。

物語はいよいよクライマックス、舞台は2011年、年の暮れの今日…



 さて、第二号名刺を作った時点で厚紙のストックがなくなってしまった…!

これはいきなり絶体絶命の大ピンチです

この素材がないと厚みがないゆえ風格に富んだ名刺が作れない!!

よって、これ以降、名刺の研究を行う事ができず、
五番星、2011年6月で…名刺職人の道を一時断念…





 しかし男は挫けていなかった…



男は、学校の礼拝堂でイエスwwwwとかいう胡散臭いおっさんに誓いを立てた



『俺は、A4インクジェット紙のみで風格のある名刺を作ると共に、お前を越える…!!!』



臥薪嘗胆…



凛々しい武士のような横顔に、その四字はしっかりと刻まれていた…



 ここからは大変小難しい技術話で埋め尽くされましょう…

でも読んでみてほしい…、汗と涙、そして鼻頭から滲む油脂の結晶を…

名刺職人を夢見るあなた、名刺にちょっとでも触れてみたいあなた、

きっと匠、五番星の職人ゆえの苦労話を聞いて損はないでしょう…



ただ!

真面目に名刺について考えたい方はここにお求めの答えはない事を改めて断っておきます!いや本当に!!だってそもそも普通のA4紙で名刺作ろうってんだぜ?



  第一号名刺の欠点としては、

名刺職人シリーズその1ですでにご存じの通り、

年下のシシドくんからバカにされた

名刺(笑)のペラペラさが最大の論点となった…
 続く第二号名刺では、厚紙を用いる事でその欠点を完全に克服する事に成功したように思えた!!

が、しかし、

似顔絵が全然似てない

名刺のくせにガチ度がハンパねえ

と、

克服以上に頑張りが無駄に終わる残念な結果に…!!

 しかもまだまだ問題点は浮き彫りになってくる!

表面と裏面で裁断によって大きさに若干の誤差が出てしまう為、貼り合わせると端の部分が不恰好になってしまう、五番星自身が納得できないちょっとした問題や

貼り合わせただけの代物ゆえ、糊付けが甘いと表面と裏面の紙が分離してしまうという致命的なバグ等、

私をどんどん追いつめる問題が山積みになってゆく!!



 しかし、第二号名刺からの構想、裕に半年!!

私は全ての課題をクリアーする天才的なアイディアが閃いたのだ!!



 さあ、まずは挨拶代わりにデザイン面からスタイリッシュにキメていこう

手始めに、第二号名刺の裏面に掲載した



サイン(花押)



個人的にはちょっといい出来だったんですけども



…どうやら

我流だったせいもあって

根本的に型破りであった事が判明!!



気になる方は調べて頂きたいんですけども

明朝体とよばれる花押には

上下に並行になるような天地線が必要だという事である!!



まあ私、花押についてはずぶずぶの素人ですし、
花押を極めたいわけじゃないですけども

型にだけは囚われたい!!!!!

花押青二才のワタクシ、五番星、伝統だけは素直に取り入れたいのでござる!!

なぜならば、脈々と継承されてきた文化を五番星がしゃしゃり出る事で破壊し根絶やす事はしたくなかったからだ!

伝統や規則に則らず物事を推し進めていく事は罪だ。
後にいかなる弁解をしたところで破壊された伝統は戻らない。無知は罪なのである。(超名言)

こう職人、五番星氏は語る…。





ぬおおおおおおおお

滑らかに白いキャンパス上に筆先が走る!!

やっぱりこのマウスにしてよかった!!



毛筆できなくてもパソコンなら筆っぽく描けるぜ!!うっひょーーー



こうして一新された五番星の新たなサイン。

本名から漢字を崩して使っているからそんなにじっくり眺めんといて!!



ううむ、流麗さは損なわれたけども、まあまあ力強い花押に仕上がったと思う!


 花押が仕上がれば次は背景を描くぜ!!

素材サイトを回りまわって画像素材を収集してそれらを加工!

やっぱり素材が美麗だとええもんができますのお、多くの素材サイトに感謝!

そして皆様、拡大画像をご覧頂きたいのですが

ほらほら、第二号と同じく右下から左上にかけて背景が透明になるようにしたんですよ

ね、これだけで約2時間!こりゃ間違いなくキチガイの領域ですわ!!絶対!自分で書いててそう思うもん!



背景が無事完成したならば、Wordで通常名刺サイズ縦55ミリ×横91ミリにサイズ変更を行ってから氏名、基本情報、その他もろもろを付け足していく!



できたならば次は印刷作業工程!


ここで読者の皆様はこう思われるかもしれない

へwwwそんなの普通に印刷すればええやんけwwww



…………!!

ぶぶぶぶぶ…!ぼっっっっけ!!!!!



こりゃあ惜しみのないアガペーの喝を入れたくなりますわ!!



モニター上の色合いと印刷されたモノの色合いが近くないと話にならんのじゃ!

背景のグラデーション、縁に彩られた菊模様、左上部に堂々と飾られた桜の花とその背景にある日本的で高貴な濃くて鮮やかな赤紫の色合い

これらをモニターから紙へ出来る限り忠実に再現する必要があると職人は語る!



といっても完璧じゃあなくてもいいんだ!光沢紙じゃあるまいし!

でもここまで作ったんだから多少設定を弄らないと納得がいかないというのは



職人として然るべき真理!!



さあ究極の色合いを求めていざ刷らん




 でもやっぱりまずは無調整で刷るんですけどもね…



案外エプソンさんなら無調整でも上手くやってくれんじゃないか?

と思って吐き出された紙をパッと見ると

……ぅええっ!?暗ッ!くっらいよエプソンさん!!



これほどダークな名刺誰も受け取ってくれないよ!

淡い青紫から水色へ変わり最終的に透明になる自慢のグラデーションは灰色になってるし

背景に使った赤紫とかサインや印字に使った朱色は、『赤』とはお世辞にも言い難いんだよ
なんというか…茶色な仕上がりだった…!

予想を遙かに超越するエプソンの再現力に言葉を失う職人!!



 それから調整を重ねる事4回…

明度+6、コントラスト+1、彩度+10、濃度-3、色相関水平-2、垂直-3(これはメモ)



ようやくいい感じの仕上がりとなってくれた

絶妙な色合い…。

暗すぎず、かといって明るすぎて安っぽくない何とも云えぬ重厚感

五番星のジェントルな部分を如実に表した大変麗しき仕上がりになったと思う!



 展開図が仕上がったならばあとは難しくない!


容赦なくズバッと裁断!!


 間髪入れずに表面の山折り線に沿って折り曲げる!!

そう!ここ!ここですわ、この名刺の最大のポイントは!!

穴が開くほど食い入るように見つめてってーー!

この折る作業さえしっかりすれば!!それ以外の作業はもはやどうでもいいと断言できるほど折り曲げる作業が重視される!



それこそ爪を立ててがっつり折り目をつけませう!!

がっっつり!!




 さあさあ、表と裏を貼り合わせようぜ!表裏一体の瞬間だぜ!!!



おうおうちょいと待たれよダンナ…、感動で涙潤ますにはまだ早いですぞ…

 思ひ出せば第二号名刺って……

ペラペラ表面と厚紙裏面とをくっつけた為に丈夫な名刺になったんじゃないの

でもこれは違うじゃない

ペラ表とペラ裏じゃあないの

第二号名刺より明らかに強度不足!姉歯の襲撃!!



 でも聞いてくれ!構想半年の前にはこんな些細な事、問題になる余地すらないッ

職人はもうすでに答えを用意して待っているぞ!

職人が打ち出した打開策はこれだ!

きっと福山ならこう言い残す事でしょう…





ぅあのね、 表面 おもちぇめん とさぁ…、裏面の間にさ
もう 一枚 いちゅまい 紙を挟み込んじゃえば いいじゃん
ぅだからさぁ…、三重構造にすれ う゛ぁ さぁいいじゃなぁい!



流石は五番星氏である。見事問題を解決に至らしめた。
もちろん、その紙もすでに用意してある!何という周到さ!

表面と裏面の中間層にこの用紙を…






……?









私製御守護

学業成就、心願成就、良縁祈願、開運祈願、交通安全、家内安全、身体健康、商売繁盛





う、うぎゃあああああああああああ!

の、呪いかけられてる!!!



そこにあるのは呪詛のごとく書き綴った守札の文面たち!

末広がりの意味も込めて八つ書き綴らせてもらった!



 名刺と云へば、やっぱりいらない人から貰えば帰ってから棄てられてしまう儚きモノ…



でもさ、できれば棄ててほしくないのが人情ってもんじゃあない!



そこで私が導いた最強の名刺!!

その完全体がこの、五番星第三号名刺、である。



『私製』とは一応銘打っておきながらも、神道を味方につけ、

名刺を呪いのお守りにするという人類史上、類を見ないまさかの最低な手法!!



最初は五番星の気さくな笑顔に惑わされて、間違って受け取ってしまうかもしれないが、裏面からよく見れば一目瞭然!



びっちりと書かれた相手を人生の成功を祈るお守りの数々!!

これを…



棄てられるだろうか!!



いくら五番星が文化を冒涜して作ったものだとしても、

いくら効用などなくても、



相手を思う職人の粋な計らいを考えるならば!



また『お守り』を粗雑に扱えばバチが当たると教えられた我々日本人ならば!



ぜっっったいに棄てないはず!街角のゴミ箱なんかにゃあ特に!


 卑怯かもしれない。

姑息だと云われるかも知れない


でもそれでも構わない、

だって私はどこまでいっても人間なんだもの

人との繋がりを人一倍求める私自身とは裏腹に、常に孤高を演じる素直じゃない男だから…


 思えば名刺を作り始めて七箇月…

走り抜けて来たなあ、何も見ないで、走れるだけ走った

そして、今年ももう終わりに近づいて…



 うぅむ、多分、人生って、そういうもんなんだろうなあって

しみじみと思うのです。



ゴールは多分ないんだけど、とりあえず一時的なゴールを何箇所も作って、

次の 目標 ゴール に向かってずっと走り続ける…

その中で、偶然関わった人たちとの出会いを、

一人でも多く、いや、一人でもいいから大事にしたい。

私はそう思います、それが職人としての本当の気持ちです。



少し気が早いですが、皆様、来年もよいお年を……



そして、来年、名刺職人五番星こと、私に出会うであろう今はまだ分からない誰か、



この第三号名刺の応酬を



どこかで待っていてほしい!!

いいかあ!



無差別にお見舞いしてやるぞおおう!!

ふぉおおおおぉぉおおおおぅぅぅ!!



それではまた来年、是非ともこの場でまたお会いしましょう!!さらば!

んん〜〜〜まっ!(投げキッス


降り積もる、深雪に耐へて、色変へぬ、松ぞ雄々しき、人もかくあれ。

やっぱ…ええ和歌やなあ…

 いつまでも信念を曲げない…、いや、松の枝が深い雪によってしな垂れるように、強いだけの独りよがりな思いだけでなく、柔軟性を持ってその時に応じて徐々に方向を変えながらも、芯は常に自分らしく正直にあり続けたいものですね。

──by職人



冬枯れの澄んだ夜空の下、──名刺職人シリーズ、ここに完結ッ!!

(まとめ方、相変わらず雑だなあ、五番星……成人…したんだろ…

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